家のリビングというか居間に飾ってあるのは、90年代ワールドカップを走っていた頃のパネル。これは現在日本のCHROMAG代表であり、90年代のワールドカップシーンを国内に伝えてくれたKJ氏によるもの。KJに出会ったのはもう15年以上も前、NORBAナショナルをダートブロスとして回り始めた時、NISSANのPASSFINDER(テラノ)に荷物満載でシートも倒れない状態でBCからアメリカ全土へ毎週の如く移動してそのシーンを撮り続けていた超ハングリーでタフなカメラマンだった。今はそんな素晴らしいレースシーンを見せてくれる雑誌がないのが悔しいばかりだけれど、BICYCLE CLUBでトレイルについていろんな情報を伝えてくれている。まぁ今の国内では、ある意味レースよりも重要な部分だからKJの活動はパワーアップしているとも言えるし、何より昔からいる人間がこの業界でリードしているって嬉しいことだ。
そんなKJと昨日電話で話して、昨今のトレイル事情について情報交換をした。MTBはトレイルなくして始まらないという大前提の下、いかにそのトレイルを守るため、ライダー間で最低限のマナーやルールを共有する必要性や、僕たちが今後できることなど、昔話は全く抜きで意見を出し合ったが、当然というかKJとの意見は同じで、結局は地道な活動をしていく他ないという感じで話は終わった。
たった一つのエリアをとっても、いろんな理由が重なって走れなくなる場合もあるし、ただ単にライダーのマナーによるものだったりするから、決まった方法などあり得ない。しかも言ってみればどこも基本的にイリーガルな場所だから、雑誌などのメディアで堂々と発表できる場もない。せめてこういった個人のウェブサイトで伝えるのが精一杯だ。しかも個人の情報なんてローカルルールだったり、個人的な意見だったりでどこでも通用するわけではない。でも、どんな場合であっても、ローカルルールは知るように心掛けたい。ローカルルールを作ったライダーが、たとえイリーガルであっても、そこから道が開ける可能性があったりするからね。トレイルって問題が起きなければ存続するし、逆にそこが守れない(ライダー間で共有できない)から問題が起きたりもする。だから最低でもライダー間ではお互いが意見もフィールドも共有しようという意識を持ちましょう、という僕の意見。ライダー間でのルールが守れないのに、地主や地元住民と話なんかできないしね。
特に、行ったことのない場所でトレイルライドを楽しむチャンスがあった場合、そこがどういう場所なのかということぐらいは考えて、楽しみましょう。
こういった情報は、地元の自転車屋さんで情報を得るのが今のところ一番ではないかな。
日本は地道な活動が一瞬の流行によって壊される国。盛り上がる前にみんなで意識を高めて、次に来るビギナー達に教えられるライダーになろう。BMXのダートジャンプトレイルも同じだな。舗装路バンザイな国だけにはしたくないね。オンロードも、オフロードも、どこでも自転車で楽しめるニッポン、夢だ~。